Robloxの機械学習エンジニア、シャオ・ユーがTest of Time賞を受賞
Robloxの機械学習エンジニア、シャオ・ユーとその共著者たちが、第17回Web検索とデータマイニングに関するACM国際会議 (WSDM 2024) にてTest of Time賞を受賞しました。 Test of Time賞は時代の方向性を変えるような研究に与えられ、その歴史的重要性の証となります。 影響力が続いていると判断されれば、10年前の論文にもさかのぼって賞を与えるのです。
受賞対象となった論文は「パーソナライズされたおすすめ:異種情報ネットワークアプローチ」でした。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究者だったユーがWSDM 2014に発表したものです。 ユーは2022年にRobloxに入社、自然言語、コンピューター視覚、大型言語モデル、生成AIといった分野を担当。最近ではリアルタイムAI翻訳やリアルタイム音声審査にも携わりました。
受賞対象の論文についてユーは「メタパスベースの潜在特徴でユーザーやアイテムを捉える考え方を導入したんですよね。 おすすめシステムに表現学習が使われるようになる以前の話です。 今は埋め込み式の異種ネットワークやおすすめシステムが一般的になっていますが、私の論文で示された視点や哲学は多くの研究者を刺激して、問題の再分析を促し、この領域のイノベーションの波を加速させたわけです」と語っています。
ユーらの研究はこの10年で多大なる反響を呼び、おすすめエンジンが普及していきました。 「多様な関係情報を取り込むことで、パーソラナイズされたおすすめを大幅に拡張、精度も向上させ、カスタマイズされた提案をユーザーにもたらすのです。 情報過多の時代ですから、ユーザーは無関係なおすすめに振り回されがちです。ですからこのメソッドは不可欠です」
「この論文を発表する以前、グラフベースのハイブリッドおすすめシステムでは主に単一の関係性が活用されていました。例えばユーザーが以前に特定の商品を買ったかどうかです。 論文はネットワーク内で異なる関係を活用する初の試みでした。 多様な関係性をモデリングすることで、ユーザーの好みやアイテムの性質について豊かで繊細な理解が可能になったのです」
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